釧路市は、国立公園の脱炭素化とサスティナブルな観光地づくりの実現を目指すエリアとして、阿寒摩周国立公園のゼロカーボンパーク登録に向けて、環境省に申請を進める見通しだ。登録されれば、全国で4番目、道内では初となる。
阿寒摩周国立公園は、釧路市や弟子屈町など1市10町にまたがり、面積は9万1413haに上る。1934(昭和9)年12月に国立公園の指定を受けた。阿寒エリアと摩周エリアの2大エリアをはじめ、摩周湖や屈斜路湖、硫黄山など豊かな自然が魅力で、国内外からも観光客が足を運ぶ。
申請主体の釧路市は、釧路湿原国立公園のゼロカーボンパーク登録申請も視野に入れる。1市3町の2万8788haに広がる湿地帯で、80年にラムサール条約登録、87年に国立公園となった。
蝦名大也市長は開会中の定例市議会で、阿寒摩周国立公園は登録後に「トレイルネットワークを活用したゼロカーボン観光の推進、温泉熱利用設備の導入、ペットボトルごみ削減を柱として実施する予定」と述べ、釧路湿原国立公園では、「釧路湿原自然再生事業と関わりを持った取り組みを想定している」と答弁した。
阿寒摩周国立公園について蝦名市長は、「環境省との申請前の調整は終了している」とし、これから申請に入る考えを示した。釧路湿原国立公園に関しては、「申請に向けた調整を進めている」との回答にとどめた。
登録によって、地域脱炭素の実現に向け再生可能エネルギーの計画作り、公共施設の自立・分散型エネルギー設備導入、建築物のZEB化などの支援が期待できる。