北海道航空機産業コンソーシアムが発足
ワールド山内(本社・北広島)を代表企業とする北海道航空機産業コンソーシアム(略称SACSuC、サクサク)は3月29日、本格稼働に伴う発足式を札幌市内で開いた。航空機部品製造に新規参入し、最終的には丘珠空港周辺での産業集積を目指す。ワールド山内の山内雄矢社長は「大手メーカーからの受注を増やし北海道経済を豊かにしたい」と意気込む。
コンソーシアムはけん引役のワールド山内、池田熱処理工業(本社・札幌)、札幌エレクトロプレイティング(同)が中心となって立ち上げた。ほかに4社が加盟。新潟市内の工場で航空機部品を製造する山之内製作所(本社・横浜)から総合的な支援を受ける。具体的には加盟各社からのOJT受け入れ、参入ノウハウの共有、製造発注などだ。
コンソーシアムは今後、2022年度に山之内製作所でのOJT教育や、製造に必要な技術認証の取得などを進め、23年度には安定的な工場稼働や2次メンバー参加などを予定する。山之内製作所からの発注を通じて製造実績を積みたい考えだ。
ワールド山内は、北広島市内で延べ2255m²規模となる航空機部品工場を建設中だ。投資額は約14億円。サプライチェーン関連の補助金を活用した。6月の完成と年度内の稼働を予定する。売り上げ規模は最大10億円を目指し、具体的な製造品は今後検討する。山内社長は「参入から3年以内で自力での受注を実現したい」と語った。池田熱処理工業など2社も製造設備を手配しているという。
コンソーシアムを支援する山之内製作所の航空機部品製造は売り上げ規模が15億円ほどで、約70人が従事する。同社の山内慶次郎社長は、航空機旅客の需要は今後回復が見込まれ、「空飛ぶクルマ」の開発も盛んだと指摘。その上で「航空機部品はサプライヤーが足りていない。全国各地を回ったが参入に二の足を踏む企業が多かった」と、ワールド山内などの参入を歓迎した。
式では札幌商工会議所の岩田圭剛会頭や北海道経済産業局、道庁の来賓が祝いの言葉を述べた。