札幌開建は南の沢川、オカバルシ川、簾舞川を優先整備している札幌市内の豊平川直轄砂防で、2023年度以降に砂防堰堤2基(簾舞川)、渓流堰堤1基(南の沢川)、渓流保全工2カ所(南の沢川、オカバルシ川)、床固め群1カ所(オカバルシ川)を整備する。また、次期整備候補として真駒内川での砂防堰堤や遊砂地、渓流保全の整備を構想。設計ストックの確保を進めていて、22年度は堰堤1基の詳細設計、堰堤3基の予備設計に着手した。
豊平川では1981年の「56災害」を契機に、82年度から直轄砂防事業を進めている。藻岩橋付近を基準に、上流からの流出土砂量を699万7000m³と想定。事業完了は2047年度を見込む。
中期計画で南の沢川、中の沢川、真駒内川、オカバルシ川、簾舞川、百松沢川、山部沢川、盤の沢川、白井川、薄別川、滝の沢川を対象とした。うち南の沢川、オカバルシ川、簾舞川とその3支川が優先整備区間。砂防堰堤4基、渓流堰堤5基、渓流保全工2カ所、床固め群1カ所などを整備する。
21年度末までに砂防堰堤は簾舞堰堤とオカバルシ川透過型堰堤の2基、渓流堰堤は南の沢川第9・10・11・14号堰堤の4基が完成。南の沢川は2号砂防改築が22年度で完成し、23年度から別施設の整備に移行する。オカバルシ川の床固め群は1―11号が完成し、26年度までに整備を終えたい考え。簾舞川は御料ダム堰堤改築を25年度まで進める。
次期整備候補としている真駒内川について、21年度は砂防設備施工計画作成、22年度は詳細設計と予備設計をいずれもケイジー技研に依頼した。
内容は、詳細設計が既設の常盤3号佐伯堰堤(71年完成、堤高8m、堤長148m)のスリット化、予備設計が空沼堰堤(86年完成、堤高11・5m、堤長66・5m)のスリット化、湯の沢堰堤上流と空沼堰堤上流のスリット型堰堤新設となっている。