荷役作業を効率化
室蘭開建発注の苫小牧港複合一貫輸送ターミナル整備が、全日本建設技術協会の2021年度全建賞に輝いた。RORO船が係留する西ふ頭などの上屋撤去でスペースを確保し、荷役作業の効率化を図ったことなどが評価された。
苫小牧港西港区商港地区は、岸壁のひび割れ箇所があるなど老朽化が進行。背後に上屋があるため船の荷下ろしに支障があり、加えて車両の走行スペースが狭いなど、荷役の安全性や効率性に課題があった。
そこで、20年度までに3バース660mで構成する西ふ頭、延長370mの南ふ頭1バース分の岸壁を改良。支障となっていた上屋を撤去し、係留のための柱を地下に埋設するなど空間を確保した。荷役のスペース幅は15mから61mに広がった。
荷役作業の効率性が上がり、RORO船の貨物取扱量が11年度の654万2000tに対し、20年度は2倍の1339万8000tに上った。
今回の整備箇所の一部で、西ふ頭で最初に耐震強度を上げた西港区西ふ頭マイナス9m耐震強化岸壁整備も15年度に全建賞を受賞した。
所管する苫小牧港湾事務所では「利用者から荷役作業が効率化したという話を聞き、大変うれしく思っている。今後も苫小牧港の発展のため、より良い工事を進めたい」と話している。