札幌市は15日、市役所本庁舎で第4回大雪対応検討会議を開き、具体的な方向性を示した。積雪深などに応じた3段階の対応を想定。判断基準を設定して運搬排雪の前倒しや優先幹線道路の排雪を強化するほか、大雪時にはパートナーシップ排雪を中止して市が生活道路の緊急排雪などに取り組む。新たな融雪施設整備や市保有除雪機械増強も検討。8月末の最終報告を予定している。
昨シーズンは、排雪作業最盛期の1―2月の降雪量が多く、警報を伴う3度のまとまった降雪など、市内全域で例年にない特異な気象状況だった。苦情件数は約7万5000件で、過去最多だった2012年度(4万2000件)の2倍近くに上った。
昨シーズンの検証では、幹線道路の緊急拡幅で道幅は確保したが、その後の降雪の度に道幅が減少し、早期の作業判断が必要になるとした。
加えて、拡幅排雪では複数回の大雪への対応は困難だと分析。短期間で生活道路全域をカバーするのは難しいとし、作業日程の変更など地域との調整に腐心したと振り返った。 この日の会議では、今後の対応として積雪深や気象状況、排雪作業の進捗などのフェーズに応じた対策案などを報告した。フェーズ1は大雪に備えた早期対応・作業強化に取り組み、優先する幹線道路の排雪作業を強化。平常時の切り込み排雪から全ての雪山を取り除く排雪方式に変更し、堆積スペースを確保する。
局地的な大雪への応援など体制強化を目指すフェーズ2は、当該エリアへの応援による作業体制強化や緊急用雪堆積場の速やかな開設を検討。最も深刻なフェーズ3ではパートナーシップ排雪を中止し、生活道路の緊急排雪をする。加えて、河川敷地雪堆積場のかさ上げや緊急用雪堆積場の増設を進める。
一般受け入れ雪堆積場では、南北ブロック別の搬入状況に応じた緊急開設や稼働日の調整を構想する。大雪対策を補完する取り組みとして、5年以内に新たな融雪施設などを整備することを検討している。雪対策室は下水道河川局と協議しながら具体化を図る考えだ。
今後の検討会議などでの議論を踏まえ、フェーズの条件設定や具体的な取り組みの運用方法などを固める。