岩田地崎など3者が連携協定 建設現場にDX普及へ

2022年07月15日 19時04分

ICT活用し、高齢化や人材不足解消

 岩田地崎建設(本社・札幌)、レンタコム北海道(同・札幌)、NTT東日本(同・東京)は15日、道内建設業の課題解決に向けた連携協定を結んだ。建設現場のDX(デジタル・トランスフォーメーション)普及に向け、IoTインフラの現場導入など6つの方策を示した。ICTによる現場の生産性向上とICT人材の育成で、深刻化する建設業界の高齢化や人材不足の解消を目指す。

 建設業界は技術者の高齢化や担い手不足の中で建設投資が維持拡大しているため、1人当たりの負担が増加傾向にある。

 これらの課題を解決するため、北海道の負の特性である広域分散型社会、人口減少・過疎化、積雪寒冷な気候を克服する技術革新として「ICT活用による生産性向上」「ICT技術者の育成」に取り組む。

協定書を交わす岩田社長(中央)

 「生産性向上」では、①IoTインフラの現場導入とデータ活用②3D点群データ活用③Wi―Fiなどの通信手段確保④ドローン活用。「人材育成」としては、⑤VR、研修⑥ICT交流会―の6つの方策を示した。

 ①では、安全管理をベースとしたIoTインフラの導入やデータ活用に取り組む。岩田地崎建設は5月から札幌市内の商業施設IKEUCHI GATE(イケウチゲート)改築現場で実証実験を進めている。時計型のウエアラブル端末を作業員に装着し、活動量や滞在時間、行動パターンなどの活動を見える化。取得データを分析し、無人化施工による省人化やドローンによる省人化・生産性向上、ウエアラブル端末による遠隔支援などを検討し、現場のDX普及を図る考え。

 ②はモービルマッピングシステム(MMS)を搭載した車両の走行データを建設現場で使う3D測量データに有効利用することを検討する。また、風景データが少ない地方や山奥の周辺環境の確認にも活用する。

 ③ではトンネル内や山間部などの現場環境に合わせて、光アクセスやWi―Fi、ローカル5Gなどのネットワークを組み合わせ、最適な通信インフラを構築することで現場のICT活用を推進する。

 ④は建築分野でドローン活用を図る。レベル4の有人地帯の目視外飛行に規制があるため、安全確保のための制度整備が必要となっている。利用用途の広がりを見据え、パイロット育成などに取り組む。

 岩田地崎建設の岩田圭剛社長は業界の問題解決に向けて、「道内に軸足を持つ企業がスクラムを組み、取り組みに応じた最適解を継承しながら、北海道モデルの創出を目指して取り組むことに意義がある」と強調。「取り組みの輪を広げ、北海道建設業全体の底上げにつながるきっかけをつくる役割を担う、という覚悟を持って推し進める」と力を込めた。

 


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