札幌市は再開発が進むJR札幌駅周辺で、広場整備などの具体的な検討に着手する。南口広場のタクシープール移設や、北海道新幹線延伸の施工ヤードに使われている北口広場の復旧内容を検討。新幹線の東改札口に続く交通広場については、JR在来線高架橋への影響を調べる。11日に検討業務2件を公告した。
南口のタクシープールは西側へ移し、ガラス張りのドームに近づける想定。現状はプール東側の歩道に地下出入り口やペデストリアンデッキがあって動線が狭いため、広げて歩きやすくする狙いがある。併せてロードヒーティングや上屋の新設を検討する。
移設は2028年度を予定する北5西1・西2再開発ビルの竣工に間に合わせたい考え。23年度以降の設計を想定する。工事には重機の乗り入れが必要なため、地下構造物の耐荷重との兼ね合いや対策案も詰める。
北口広場は工事完了後の復旧方針を検討する。駅出入り口周辺で新設を検討している東西方向の歩行者用上屋についても荷重条件や地下構造物への影響を整理する。北口のタクシープールやバス乗り場は現状のまま。23年度以降の設計を見込む。
新幹線東改札口に隣接して市が整備予定の交通広場では、JR在来線の高架橋基礎に与える影響や必要な補強を探る。バリアフリーの観点で歩道からのスロープも置くため、21年度に取り組んだ概略設計を基に広場の高さや勾配を考える。
在来線や新幹線ホームの高架下を活用してタクシーや一般車が乗り降りできる交通広場とする予定。約2000m²の広さを想定している。
検討業務は、市まちづくり政策局が11日付で公募型プロポーザル公告した。いずれも履行期間は23年3月24日までで、参加意向申出書や企画提案書を11月2日まで受け付ける。参加資格は土木設計・監理業に登録していることなど。
書類審査やプレゼンテーション審査を経て11月下旬にも契約候補者を選定し、契約締結する見通し。提案上限額は札幌駅交流拠点基盤整備検討が税込み1400万円、札幌駅周辺交通円滑化検討が同900万円とする。