札幌市環境局は3月31日、公募していた定置式水素ステーション整備の最優秀提案者をエアウォーターに決定したと発表した。提案は同社のみで、都心まちづくりとの調和を考慮した点などを評価した。4月をめどに覚書を交わして事業着手する。
水素モデル街区と位置付ける旧中央体育館跡地(中央区大通東5・6丁目)で、燃料電池(FC)バスやFCトラックなど大型の燃料電池車(FCV)に対応する定置式水素ステーションを整備する。同社は1371m²の敷地に水素圧縮や充塡(じゅうてん)の設備、事務所などの設置を提案。建物は全て平屋で、延べ282m²を想定する。
経済産業省のFCV向け水素供給設備設置補助を活用する見通し。総事業費は5億―6億円程度とみられる。
同社は札幌市豊平区月寒、室蘭市、鹿追町で水素ステーションを整備した実績がある。今回の事業について広報では「道内で手掛けてきた技術やノウハウを活用し、水素社会の実現を目指す札幌市の力になりたい」と意気込みを示した。
市は将来的に水素ステーション南側で、水素利用のショーケース機能を備えた集客交流施設を整備する計画。当初は一体整備を目指したが、資材高騰などを考慮して今回の先行整備を決めた。
水素モデル街区は2022年11月に選定された「脱炭素先行地域」の取り組みの1つで、水素利活用を目指す市にとって重要拠点となる。