土木学会北海道支部(早野亮支部長)は21日、2022年度技術賞を発表した。函館開建の「函館港クルーズターミナル整備事業」と東日本高速道路北海道支社が開発した「準天頂衛星システムを活用したロータリ除雪車の自動化の開発」の2件。5月16日午後3時から札幌ガーデンパレスで開く支部総会で授賞式を行う。
技術賞は、土木技術の発展に顕著な貢献をし、社会の発展に寄与したと認められる計画、設計、施工などに関する画期的な技術やプロジェクトなどに贈られる。
函館港クルーズターミナル整備事業は東洋建設、五洋建設、松本組、森川組、高木組が施工。港湾整備で全国初となる本格的なBIM/CIMを活用し、隣接する既設構造物の不可視部分を的確に把握して設計に反映した。
桟橋鋼管杭の打設と同時に受け梁を陸上ヤードで製作し、海上クレーンで正確に据え付け、着工から1年で供用を実現。既存の歴史的施設に影響を与えない工法、軟泥浚渫土を防波堤背後の盛り土に有効活用した工夫などが高く評価された。
一方、準天頂衛星システムを活用したロータリ除雪車の自動化の開発は、衛星の位置情報と地図情報を組み合わせ自車位置を正確に算出し、操作を視聴覚的に支援するシステムを実用化した。
除雪車の自動操舵および自動除雪を高速道路本線上で行った初の事例で、積雪でレーンマークが見えない状況や吹雪による視界不良などの条件下で走行車線へのはみ出しやガードレールへの接触を回避し、除雪作業の省力化、効率化、安全性を高めたことが認められた。