丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に

2023年05月12日 08時00分

道内拠点に営業基盤や人材融合

 丸彦渡辺建設(本社・札幌)は10日、31日付で清水建設(同・東京)の連結子会社になると発表した。清水建設が同日付で丸彦渡辺建設の株式を50%超取得し、丸彦渡辺建設は王子ホールディングス(HD)の関連会社から清水建設グループの傘下に移る。現経営体制は維持し、道内を拠点として営業基盤や人材などの経営資源を融合し、建築分野での営業案件の共有を目指す。

丸彦渡辺建設の本社社屋

 2022年の完工高を見ると、丸彦渡辺建設が237億7616万円、清水建設北海道支店が232億2330万円。2社の額を合算すると約470億円となり、岩田地崎建設(本社・札幌)、大林組札幌支店、鹿島北海道支店、北海電気工事(同・札幌)に次ぐ規模となる。

 丸彦渡辺建設管理本部の芝秀彦総務部長は「春先に大株主同士が決めた。吸収合併ではないので、これまで通りそれぞれが営業活動をする」と話す。岡本啓治社長はじめ経営陣も変更はないという。

 スーパーゼネコンの清水建設を核とする清水建設グループの多様な事業ノウハウと、丸彦渡辺建設の営業基盤や人材など2社の経営資源を融合し、建築・土木分野の事業基盤の強化、拡大が図られることになる。

 芝部長は今後について、「土木など官庁工事については両社が存在していることが大切で、規模が大きくなったからといってシェアが増えると言うことはないが、建築ではお互いの営業案件の共有など、シナジー効果の発揮で効率的な受注が見込める」と期待する。

 両社の相乗効果により、これまでは自社単独ではできなかった、より大きな受注案件にも対応できるようになることが考えられる。

 丸彦渡辺建設は1918(大正7)年、池田町で渡辺鈴木組として創立。2018年に創業100年を迎えた。「これまで培ってきた社風などにも影響はない」(芝部長)と話している。

 王子HDは丸彦渡辺建設の株式を保有しているが連結子会社ではなく、関連会社の関係。今回、清水建設グループの傘下となることで、王子HDの関連会社ではなくなるが「今後も王子グループとの取引関係は変わらない」(同)という。


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