道の23年度肉付け補正予算案で投資的経費868億円追加

2023年06月16日 18時00分

9高校の大規模改造調査設計費など盛る

 道は16日、2023年度の肉付け補正予算案を発表した。一般会計に2776億2860万円を追加。骨格編成だった当初予算との合計は3兆1516億7818万円となり、前年度当初に比べ2.3%減少した。投資的経費の追加分は868億1293万円で、うち単独の特別対策事業費は144億5600万円。施設整備で富良野緑峰など9高校の大規模改造に向けた調査設計費を計上した。このほか、津波避難施設等整備特別対策事業費補助金、次世代半導体産業集積促進、知事公館・近代美術館エリア活用検討などを盛り込んでいる。22日開会予定の第2回定例道議会に提案する。

 鈴木直道知事2期目の政策予算を計上。特別会計の追加分82億4803万円を合わせた補正総額は2858億7663万円に上る。当初予算との合計は、一般会計が2.3%下回り、特別会計が1兆292億106万円で0.9%減少した。総額は2%減の4兆1808億7924万円となっている。

 投資的経費は、当初予算と合わせて2%増の3638億6802万円。補助事業費や社会資本整備総合交付金事業費は当初予算で計上済みだったため、補正には盛り込まなかったが、国直轄事業負担金の追加分625億6042万円が全体を押し上げた。

 投資的経費のうち特別対策事業費は補正後に前年度当初を0.7%上回る287億1200万円となる。事業別で見ると、道路が110億2787万円、交通安全施設が47億3921万円、河川が72億7386万円、砂防が11億430万円、街路が9億1245万円など前年度並みを確保。農道は8億9100万円、小規模治山は14億6800万円で前年度当初と同額だった。

 公共関連単独事業費は、補正案に69億200万円を計上。当初との合算は134億500万円で前年度当初より3.1%増加した。補正後の事業別予算は、道路が4.1%増の79億1145万円、交通安全施設が同額の23億6950万円、河川が4.2%増の17億4673万円など。

 施設等建設事業費は28億9450万円を追加し、当初分と合わせて16.8%増の284億2909万円となる。教育施設の補正額内訳は高校が5億9951万円、特別支援学校が1億3255万円。25年度に富良野高との統合を予定する富良野緑峰高など9高校15施設の大規模改造のほか、札幌手稲高など10校の指定避難所整備、美唄養護学校大規模改造の調査設計費などを措置する。道立都市公園は野幌総合運動公園や北海道子どもの国、道南四季の杜公園などの老朽更新を含む施設長寿命化を進める。

 海溝型地震への備えとして創設する津波避難施設等整備特別対策事業費補助金には3300万円を計上。緊急事業計画を策定した釧路市など7市町が対象で、23年度は各自治体が計画する津波避難タワー、避難ビル、避難路整備の設計費などを支援する。

 次世代半導体関連では、今後の取り組み方針策定や道民向けセミナー開催、立地優位性のPRなどをする次世代半導体産業集積促進事業に1億2099万円を充てる。

 ゼロカーボン北海道の推進に向けて100億円規模の基金を創設。地域支援や産業振興、人材育成などに使う考えで、23年度の基金活用額約19億円は26事業に充当する予定だ。補正案では洋上風力発電サプライチェーン構築・人材確保支援に3073万5000円、住まいのゼロカーボン化推進に1億4100万円、新エネルギー設備等導入支援に2億2000万円などをみている。

 このほか、知事公館・近代美術館エリア活用検討に1487万5000円、野幌森林公園アリア活性化・拠点化に1952万3000円、道管理空港での空港脱炭素化推進計画策定に5503万円をそれぞれ計上している。

 北海道建設新聞2023年6月19日付4面には、この記事の関連記事が掲載されます。閲覧は新聞本紙か、e-kensinプラスの記事検索コーナーをご覧ください。

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