NEDO実証事業で採択
豊富町の天然ガスを活用した水素製造事業が始まろうとしている。戸田工業(本社・広島)とエアウォーター(同・大阪)が申請した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素社会構築に向けた実証事業に採択。2025年度までに水素の供給施設を完成させる予定だ。河田誠一町長は「地元の資源から水素ができれば応用の仕方は未知数だ」と期待を込める。
両社はメタンガスを用いて水素とカーボンナノチューブ(CNT)を生成する技術「DMR法」を開発。原料となるメタンガスと触媒を反応炉で600度ほどに加熱することで、高純度の水素とCNTを生成することができる。天然ガスの利活用事業を町に提案し、公募に至った。
町では1日に1万1000m³の天然ガスが採れる。採掘した天然ガスは豊富温泉や町内の食品製造工場などで使用されるが、使用量は夏で1500m³、冬でも3000m³と限られている。
23年度はエアウォーターと戸田工業で設計を進め、24・25年度の2カ年で建設を検討している。25年度から生産を始める運びだ。