稚内市は6日、稚内港再生可能エネルギー導入検討委員会の初会合を開いた。稚内港では4―5㍗の洋上風力発電施設2―3基の導入を想定。2015年度内に全3回の会合を開き、第2回で設置エリア案や事業予定者の公募条件を詰め、第3回で公募者の選定作業を進めたい考えだ。
市では、10月末に策定する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」や14年度に改訂した稚内港港湾計画に、洋上風力発電施設の導入検討を記載するなど、再生可能エネルギー導入促進を施策の柱に据えている。また、風力発電事業大手のユーラスエナジーホールディングス(本社・東京)が稚内港内の2カ所で風況調査を実施している。
検討会は、港湾管理者が港湾区域内に洋上風力発電施設設置の水域占用許可申請を行うに当たり、関係機関などの意見や助言を反映させるため、国土交通省のガイドラインに従って設置したもの。港湾利用者や学識経験者ら40人が出席した。
会合では、稚内港港湾計画で、天北地区の東防波堤沖に洋上風力発電の設置エリアを設定したものの、改訂後に国交省が洋上風力発電に関する設置条件などを示した技術ガイドラインを発表したため、エリアを見直す方針であると説明した。
漁業関係者から振動や音の影響、港湾関係者からは航路への影響を心配する声が上がったが、市は「技術ガイドラインを参考に、港湾活動や港湾施設に影響がないよう最大限努めていく」と応じた。