北海道開発局は2016年度以降の総合評価運用改善案をまとめた。落札者と非落札者の技術点が僅差にある現状を踏まえ、技術提案評価型の拡大や施工計画を重視する新たな手法など、企業や技術者の固定点以外を評価する方式の導入を盛り込んだ。28日から始まる各地方建設業協会との意見交換会で示す。
国土交通省は13年度から、企業や技術者の施工能力を評価するタイプと技術提案を重視するタイプを二極化し、施工能力評価型と技術提案評価型に大別して運用してきた。ただ、開発局発注工事のうち技術提案評価型は14年度に30件、15年度も9月までで前年度と同数程度にとどまっている。
各開建が14年度に施工能力評価型Ⅰ型で発注した一般土木と舗装570件を調べたところ、落札者と非落札者の書面審査による施工計画(施工監理能力の確認)の点差は0・65点しかないことが分かった。これを受けて開発局は、適切な競争性を確保するためには、技術提案などの施工計画を重視する総合評価の導入が必要との認識で改善案をまとめた。
具体的には①技術提案評価型(S型)の発注を積極的に採用②施工計画の配点を増やす③試行工事でチャレンジ型を活用④1位満点方式の試行など配点方法の工夫⑤地域要件の緩和―の5点を示した。
技術提案評価型は、難易度が高く施工上の工夫で品質の向上が期待できるWTO政府調達協定対象以外の工事への採用を視野に入れている。
施工計画の配点見直しは、札幌開建がことし試行した施工計画重視型のように、配点をこれまでの10点から20点に引き上げることを検討。施工計画のみを評価するチャレンジ型の試行も考える。
このほか、最も良い提案内容を満点とするなどの配点方法の見直しを図る。入札参加者が少ない地域では、競争性を確保するために地域要件の緩和を提案する。
開発局は、こうした改善案を28日の帯広建設業協会を皮切りとする各地方建協との意見交換会に提示。業界の意見を聞きながら16年度の総合評価方針を決定する考えだ。