札幌砕石共販協組がアス合材用骨材を販売へ-供給能力を維持

2016年02月04日 19時27分

 札幌砕石共販協同組合は4月1日から、アスファルト合材用骨材の販売を始める。アス合材の需要は低迷しているが、北海道新幹線の札幌延伸に関わる工事などで骨材供給が逼迫(ひっぱく)する可能性も否定できない。共販体制を整備することで骨材の供給能力と品質を維持するのが目的だ。

 アス合材用の単粒度砕石は3号(40―30㍉)、4号(30―20㍉)、5号(20―13㍉)、6号(13―5㍉)、7号(5―2・5㍉)と5種類。生コンクリート用骨材(3種類)よりも細分化されており、生産にはサイズごとに分類する〝ふるい〟が多く必要となる。このため生コン用骨材プラントと比べて設備が複雑となり、運用コストがかさむという実情がある。

 その一方、需要先である道内アス合材の道内需要は低迷を続けている。特に2015年度は250万㌧を切る予測で、過去最低水準となりそうだ。道路工事では建設リサイクル法によって、建物解体後のコンクリート塊から製造した再生骨材の使用が進んでいることもあり、採石によって生産したいわゆるバージン材の需要は右肩下がりとなっている。

 岡本繁美理事長はこうした状況から「アス合材用骨材を生産するプラントは限定的になりつつある」と供給能力の低下を危惧。札幌市内では原石の確保難といった課題を抱えるプラントもあり、供給元の減少が現実味を帯びている。

 しかし、北海道新幹線の札幌延伸や大規模災害の発生や札幌冬季五輪招致に成功した場合の建設ラッシュなど、アス合材用骨材の需要が高まる局面が今後予測される。「共同販売体制の確立によって生産能力のあるプラントを維持しなければならない」と説明している。

 共販体制によって組合員は、集金業務の簡略化など事務手続きの手間が省けるというメリットもあると強調。アス合材プラントにとっても、確実に品質管理された製品を安定して供給を受けられるようになるのが利点としている。

 岡本理事長は「砕石は過熱による劣化やポップアップ(アスファルトから飛び出す現象)も少ない」と安心感もあるとし、需要獲得に力を入れる考えを示している。


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