アスファルト合材生産、16年度も過去最低の前年度並み見込む

2016年05月12日 19時15分

 アスファルト合材の需要減少に歯止めがかからない。北海道アスファルト合材協会はこのほど、2016年度の道内アス合材生産量は過去最低となった15年度生産量(246万6000㌧)と同程度になると試算した。道路舗装業者は道路の新設だけでなく維持工事も含めた事業量全体の少なさを指摘。固定費もかさむ中、プラント集約化など合理化への動きがますます進みそうだ。

 15年度合材生産量は最終的に250万㌧を切り、初めて300万㌧を割った14年度に続き、業界に衝撃が走った。1995年のピーク時(705万㌧)と比較すると約65%、14年度比では15.4%の減少だ。

 地域別に見ると、道東自動車道の白糠―阿寒間や釧路外環状道路が整備された釧路地域が9.5%増の26万1000m³、十勝オホーツク自動車道訓子府―北見西間が目玉となった網走地域が11.6%増の24万㌧と10地域中2地域だけが前年度実績を上回った。

 一方、最大市場の札幌は13.1%減の87万8000㌧となり100万㌧台を割った。他の7地域も1―3割程度減った。札幌市内の業者は「ここまで減るとは」と驚きを隠さない。大きな需要が見込める高規格道路だけでなく、維持工事を含め「事業量全体が少ない」と落胆する。

 同協会は、16年度の合材生産量を前年度並みと予測する。北海道開発局発注舗装工事などの動向を基にした推計によると、15年度ゼロ国債が14年度比で3割減ったものの、16年度当初発注予定額に河川の天端舗装が30億円程度含まれており、穴埋めする格好だ。

 こうした中、今後予測されるのはプラントの集約化など経営合理化への動きの加速化。需要の伸びはことしも見込めないにもかかわらず、プラントの運営や修繕に関わる費用や人件費などの固定費は変わらずに必要となる。しかし、原油価格の値下がりに起因するストレートアスファルト価格下落の印象も強く、需要家に対する値上げ交渉は難航しているという。

 実際、プラント数は95年度のピーク時で290基あったが、16年度は106基にまで減った。いったん休止したプラントも、人材確保難から再開が難しく、そのまま廃止に追い込まれるケースも目立つ。今後もプラントが減少すれば、輸送の遠隔化など供給体制に影響が出ることを危惧する見方が強まっている。


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