幕別町は、7月から家畜ふん尿を利用したバイオガスプラント建設の導入可能性調査に着手する予定だ。畜産農家に対し、ふん尿処理の実態や事業への参加希望についてアンケートや聞き取りをしたり、北海道電力への売電に関する調査をし、2016年度末までに実現可能な利用モデルを策定する。調査報告書を基に、事業内容や実施主体について関係者と協議していく考えだ。
幕別町の乳用牛は14年度末時点で1万7512頭あり、ふん尿は年間で804㌧発生している。頭数は10年前から500頭程度増加している。さらに町の酪農・肉用牛生産近代化計画では、25年度までに1万7900頭になると推測し、ふん尿は852㌧になる見通しだ。しかし既存の堆肥舎では処理が追い付かなくなっており、酪農家の労力負担の増加や、不完全な堆肥化が課題になっている。
また地域新エネルギービジョンでは、再生可能エネルギーを活用していく方針として、15年度から10年間で個別型のバイオガスプラントを3基建設する目標を掲げていることから、プラント建設について本格的に検討することにした。
農家単位で整備する個別型の1基当たりの標準仕様は、処理頭数が262頭で、建設費は1億5000万円から2億円程度としている。
15年度は、農業関係者を対象にした勉強会を開催。16年度は導入可能性調査に取り掛かる。
導入可能性調査は、北海道経済部の地域新エネルギー導入可能性調査事業を活用する。コンサルタントに委託する方針で7月中旬に入札する予定だ。
調査は、外部の有識者や町内の農協などで構成する協議会から助言をもらいながら進める。酪農家や北電への調査のほかに、農協や学校給食センターから出る残さなどふん尿以外の資源活用や、消化液、再生敷料の活用方法についても検討。17年2月上旬までに報告書をまとめる。