原油価格の上昇や為替変動を反映し、国内の石油製品価格が上昇している。道内の販売関係者によると、舗装合材の原料となるストレートアスファルトは1月から石油元売りによる卸価格が引き上げられ、販売価格は最大で15%程度上昇する見通しだ。ガソリンや軽油、灯油といった燃料も上昇基調にあり、いずれも16年初めに原油価格が急落する前の15年秋の水準に戻りつつある。
建設物価調査会、経済調査会によると、道内札幌地区のストレートアスファルト価格は、2016年12月調査で1㌧当たり7万2000円。
特約店関係者は、卸価格が1月から十数%引き上げられることを理由に、販売価格も10%から最大で15%上昇すると見通しを示した。浸透すると、15年冬以前の価格水準となる。
道内は合材需要が少ない冬季を迎えているため、すぐに価格に反映されるかは不透明。ただ、需要減少の中で、若手確保に向けた環境改善、老朽設備更新といった間接的な負担の吸収を迫られている合材生産者は、再び資材や燃料という直接的なコストアップ要因を抱えることになる。
燃料などの石油製品価格も値上がりが続く。石油情報センターの週次調査によると、道内のガソリンと軽油の価格は16年11月に石油輸出国機構(OPEC)などの産油国が減産で合意した翌週の12月初めから上昇に転じた。その後も値上がりが続き、12月末には11月末より10%ほど上昇した。
多く顧客を持ち、価格水準の目安になるコープさっぽろの灯油価格(定期配達、1㍑当たり、税込み)は1月で71円となり、昨秋から10円ほど上昇している。
原油価格は、16年初めに中国の経済成長鈍化から供給過剰感が強まり急落。一時は120㌦中盤と安値水準に達した。その後、難航していた産油国の調整が進み、16年11月にOPECが1月からの減産で合意したことで、供給過剰解消の期待感から主要市場の先物価格は同50㌦以上に上昇した。
5日には米国の石油在庫減少見通しから原油価格は再び上昇。アジア指標の中東産ドバイのスポット価格は1㌦弱の上昇で54㌦後半となっている。国内販売関係者は「減産が守られれば、当面1バレル55―60㌦前後で推移する」とみている。