アスファルト工場が第2土曜日休日へ-協会が4月から呼び掛け

2017年01月23日 19時10分

 北海道アスファルト合材協会(沢口二朗会長、86社)は、会員のアス合材工場に第2土曜日閉所を呼び掛ける活動を4月から実施する。月1回の連休を設定することで労働環境を改善し、若手従事者を確保しやすくするのが狙い。ユーザーや発注機関にも働き掛け、普及を目指す。

 アス合材工場は舗装工事に合わせて合材を出荷する必要がある。毎週日曜は定休だが、それ以外は不定休となり連休が取得しにくい環境にある。

 業界では近年、従業員の高齢化が課題となっており、協会が2015年に会員に実施したアンケートでは50歳以上の従業員が40%を占め、40歳未満は全体の7%にとどまることが分かっている。協会関係者からは「今の若手は子どもの時から毎週土日の連休が当たり前の世代。週1日の休みでは人材の確保が難しい」との声が聞かれる。

 沢口会長によると、連休取得の取り組みは日本アスファルト合材協会が推進しているもので、全国的に広がりを見せている。道アス合材協会も16年2月にワーキンググループを設置して実施を計画。北海道舗装事業協会と日本道路建設業協会北海道支部の後援も決まり、ユーザー側の理解も得られたとして実施に踏み切った。

 対象となるのは道内会員工場107カ所。強制するものではないが、沢口会長が社長を務める北央道路工業(本社・札幌)をはじめ、多数の会員会社が新年の事業計画に盛り込むなど、対応に本腰を入れるケースは目立つ。

 効果的な周知のためポスターやリーフレットも作製した。「パパ、来週の土曜日はお休みだよね? 約束だよ」との子どものせりふを入れた、家族を思う心情に訴えるイラストを採用。カップルがデートしている様子も描くなど、子育て世代と若者の双方が希望を持てるデザインとなっている。今後、年度内に会員企業やユーザー側への配布を進め、一層の理解を呼び掛ける。

 労働環境を巡っては政府も働き方改革に取り組んでおり、長時間労働の是正や有給休暇取得の促進などを目指している。沢口会長は「業界では労働時間と超過勤務の縮減は待ったなし。労働環境が厳しい建設業界で、何かを変えるきっかけになれば」と期待を寄せている。


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