道は、地域でバイオマスや地熱などを活用したエネルギー導入促進の施策として、100億円規模の取り組みを進める方針だ。2017年度明け早々に新エネルギー導入加速化基金を創設する。当初予算案に11億9935万円を盛り込んだ。事業計画の策定から実施までの一体的な支援や、送電線整備補助などのメニューをそろえる。
道が3月末に策定する新エネルギー導入加速方策案によると、非住宅分野の太陽光発電設備の設備容量は目標にほぼ近づく一方、風力や地熱、バイオマスは1―2割程度にとどまっている。
同基金は、これらの伸び悩む分野において地域のエネルギー自給と地域循環を目指して創設する。21年度までの5カ年を集中期と定め、60億円程度の施策を展開する考え。
基金の主な支援内容は①エネルギー地産地消事業化モデル支援②新エネの設備導入や設備設計、地熱井掘削など地域主体新エネ導入支援③北電の系統接続に必要な送電線整備の補助を挙げる。取り組みは市町村、自治体、企業コンソーシアムによる主導が条件。
①は、地域エネルギーの効率的な生産・消費の管理から供給までの仕組みづくりを支援する。計画期間は最長5カ年、補助限度額は5億円で、1年ごとに1億円を上限とする。4件程度の申し込みを見込み、事業のノウハウを蓄積する。
②の設備設計は上限500万円、費用の2分の1以内、設備導入は1500万円、2分の1以内を補助する内容。地熱井掘削は5000万円、3分の2以内とする。
③は、企業または市町村とのコンソーシアムを対象に、収益から補助金返還を条件とし上限1000万円、費用の2分の1以内を支援。
この他、道主体の事業として地域の可能性の掘り起こしや計画作成支援、金融機関と連携した金融支援の仕組みづくりを民間に委託する。また、帯広警察署に太陽光発電パネルや地中熱の導入、小水力発電の設計など、道有施設への新エネ設備導入を進める。
道経済部の担当者は「自治体や企業から多数の問い合わせが寄せられている」と話し、地域の新たなエネルギー発掘に期待を寄せている。