岩田地崎建設(本社・札幌、岩田圭剛社長)は28日、2017年3月期決算を発表した。完工高、受注高ともに過去最高を計上。特に受注高は道外の大型工事を射止めたことから1007億2000万円に上り、創業・合併以来初めて1000億円を超えた。
売上高は前期比11.9%増の868億600万円。うち完工高は13.1%、約100億円増の862億4300万円と5年連続で増加した。完成工事総利益は約7億円増の74億円余りを確保している。
営業利益は3.9%減の31億2600万円。ベースアップや昇給などで人件費が上昇し、一般管理費が増えたのが影響した。経常利益は0.7%増の31億8000万円で、純利益は売上高増加に伴う法人税などの増加で3.5%減の17億7500万円となった。
完工高のうち、土木は前期と同程度の382億円で、建築は約90億円増の481億円。圏域別では道内が53%を占める454億円、道外が402億円で、海外が7億円だった。
完工高の増加について同社は「東日本大震災の復興や東京都内の首都高速道路などの道外案件の規模が大きく、道内でもニセコの宿泊施設、札幌市内の再開発があったため」としている。
受注高は土木が515億円、建築が492億円で、前期に比べ合計で1.9%伸びた。道外で新東名高速道路やリニア中央新幹線、北陸新幹線などの大型工事を請け負い、道内でも新桂沢ダムや新石狩大橋などを受注。海外ではパラオやモロッコ、台湾で建築物件を施工している。同社では、これらの案件のほか「再開発や病院、福祉施設、学校、マンション、ホテルの改修などがある」と話している。
今期に関しては、前年からの繰り越し工事として1100億円の手持ち工事があるため「売上高、完工高、そして受注高で前年以上を目指す」考えだ。