応急危険度判定士の減少深刻-ピーク時から半減、道が対策検討へ

2017年07月13日 19時15分

 道建設部は、北海道震災建築物応急危険度判定士の2016年度末登録状況をまとめた。有効登録者数は2774人で前年度を175人、5.9%下回り、過去最低を記録した。同部は「応急危険度判定士の減少は喫緊の課題」と危機感を募らせ、要件の見直しなどを含め対策を検討するとしている。

 応急危険度判定は、地震で被災した建築物の危険性を情報提供する制度。余震による倒壊などで人命に関わる2次災害を防ぐため、講習を受けた建築士や官庁建築技術職員らが判定士として損傷の程度や落下物の有無を点検し、「調査済み」「要注意」「危険」の判定ステッカーを貼って周囲に危険性を周知する。16年4月の熊本地震では、道内から過去最高の70人が被災地に派遣され、注目された。

 道は1995年9月に制度を創設。道内の判定士は、99年度の5240人をピークに、5年の有効期間を過ぎて未更新の登録者が増えて減少。16年度末にはピーク時に比べて半減した。

 道建設部によると、更新しないで5年の登録が切れる判定士が多く、退職を機に更新をやめてしまうケースが目立つという。建築指導課は「このまま減少していけば災害発生時に判定士が不足する恐れがある。減少に歯止めをかけるためにも対策を検討していく」とし、全国で先進的に取り組む地域の取り組みなどを参考に、要件の見直しを含め対策を検討する。

 16年度末の総合局・振興局別応急危険度判定士有効登録者数は次の通り。(カッコ内は前年度比)

 ▽空知158人(11人減)▽石狩1235人(49人減)▽後志107人(7人減)▽胆振162人(17人減)▽日高36人(9人減)▽渡島144人(14人減)▽桧山33人(1人減)

 ▽上川365人(30人減)▽留萌22人(3人減)▽宗谷50人(4人減)▽オホーツク127人(3人減)▽十勝161人(20人減)▽釧路121人(12人減)▽根室52人(5人増)▽道外1人(増減なし)


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