農業用水路で小水力発電ー旭川開建が当麻町で道内初の施設

2017年08月01日 19時14分

 旭川開建は国営かん排当麻永山用水地区で、道内初となる農業用水路を利用した小水力発電施設「当永発電所」を建設した。売電収入による農業水利施設の維持管理費低減などが期待できるという。3日に竣工修祓(しゅうばつ)式と施設見学会を開く。

 道内には多くの農業水利施設があるが、冬季には農業用水を利用しないため稼働期間が限られているなどの理由から、小水力発電の導入が他県に比べ遅れている。そこで、当麻永山用水地区では水田のかんがい期間(5―8月)だけでなく、非かんがい期間(4月、9―11月)にも発電用の水利権を取得。長期間稼働させられるようにしたため、小水力発電の運用が可能となった。

 当永発電所は当麻町伊香牛地区に建設。水の落差による水流で水車を回して発電する構造のため、農業用水路の落差工統廃合などの工事を施し、落差を1・5mから3・5mにかさ上げした。発電機は最大出力139㌔㍗で、年間発電可能量は708㍗時。一般家庭140世帯分の消費電力に相当する。土木工事はタカハタ建設と新谷建設が担当。発電設備は愛知時計電機が製作し、設備を収納する上屋は那知組が施工した。

 旭川開建によると、農業水利施設は老朽化や電気料金の値上げで維持管理費がかさんでいるのが現状だ。「小水力発電による売電収入を維持管理費に充てることで、農家が土地改良区に納める賦課金を軽減できるため、農家の経営安定化にもつながる」としている。水力発電設備は当麻、永山両土改区が運営管理する。

 3日の竣工修祓式は午前10時から。終了後、現場見学会を実施する。


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