◆B6判、230ページ、定価:本体1,400円+税◆
◆ISBN4-902704-2-03◆
◆北海道建設新聞社発行◆
月尾嘉男先生の連載が書籍化
北海道建設新聞で、2005年4月から2006年5月までの1年余りにわたって連載した「月尾嘉男 北海道二十一世紀」が本になりました。
本道の開発に先駆的な功績を残した探険家の松浦武四郎を追慕しながら北海道への限りない愛着と、グローバルな視点からの率直な批判、提言をまとめた一冊です。
全体を13の章に分け「未来交通」「未来産業」などのキーワードごとに北海道の未来の姿を構想、展望。西欧の一国に匹敵する規模の資産量を誇る潜在力を明らかにしながら、北海道自立への方策を提言されています。
月尾嘉男氏プロフィール
1942年愛知県生まれ。1965年東京大学工学部卒業。1971年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。名古屋大学教授、東京大学教授、総務省総務審議官を歴任。専門はメディア政策、システム工学。近著は「ヤオヨロズ 日本の潜在力」、
「縮小文明の展望 千年の彼方を目指して」、「ホットな話題 クールな真相 月尾先生に聞いてみた」など。
ホームページは「月尾嘉男の洞窟」 http://www.tsukio.com/
未来フロンティア紀行 もくじ
第一章 未来交通 | ・開拓以前の大地を提示する松浦武四郎図 ・日本を疾走した探検家松浦武四郎の原点 ・鉄道の未来の役割を検討する必要 ・本物のコミュニケーション社会の実現 |
第二章 未来産業 | ・現代の荒野を実現させた苫東開発 ・産業構造の変化に出遅れた構想 ・本物の三次産業への飛躍戦略の検討 ・情緒産業こそ道内に期待される未来 |
第三章 未来環境 | ・日本有数の自然河川をカヤックで満喫 ・消滅の危機にさえ遭遇した釧路湿原 ・世界各地で進展する自然再生事業 ・エコノミーとエコロジーの未来関係 ・生態ピラミッドを修復する自然再生 |
第四章 未来農業 | ・農業王国・北海道が直面する課題 ・ハッカ王国であった北見の衰退 ・未来の一次産業として薬草に期待 ・バイオマス産業として林業を再建 |
第五章 未来観光 | ・観光は成熟社会の重要な産業 ・財力の時代が終了し魅力の時代が登場 ・長期の魅力戦略を推進した欧米諸国 ・時代はGNPからGNCへ以降 ・供給主導から需要主導への転換 |
第六章 未来地域 | ・産業の変化が崩壊させた地縁社会 ・仕事より生活を優先する意識変化 ・社縁からさらに通縁への展開 ・自然環境を反映した生命圏域に注目 |
第七章 未来生活 | ・生産と消費が融合する時代の登場 ・住民が都市を維持する里親制度 ・境界が曖昧になる玄人と素人 |
第八章 未来資源 | ・処理に苦慮する放射性廃棄物 ・数十年後には枯渇する様々な資源 ・リサイクルは今後の中枢産業 ・海外の土地に依存する日本の生活 |
第九章 未来通信 | ・次々と革新技術が登場する情報社会 ・モノや場所と対話する情報通信社会 ・ユビキタス技術がもたらす巨大市場 ・アイヌの言葉に由来する地名は財産 |
第十章 未来企業 | ・株主だけではないステークホルダー ・取引相手を配慮したフェアトレード ・企業活動に必須のCSR ・CSR遂行のための三種の行動 |
第十一章 未来科学 | ・二五兆円の科学技術基本計画 ・科学が知識への愛情であった時代 ・国家を背負うがための捏造科学 ・続出する市民の参加による科学 |
第十二章 未来人間 | ・地球の歴史の一瞬で人類は爆発 ・増大が成功という思想の問題 ・西欧に登場した生命圏域平等主義 ・拡大発展は本当に幸福の源泉か? |
第十三章 未来政策 | ・一国に匹敵する北海道資産量 ・産業クラスターで付加価値を増大 ・移住に最適の条件の道内各地 ・アメリカ発展の源泉フロンティア |