金属製建具の設計・施工などを展開するタカフジ(本社・札幌)は9日、札幌工高建築学科の2年生の進路指導授業に協力した。同校の卒業生である製作係の野田直幸さんと設計課の矢野杏佳さんが講師を務め、学生時代の様子を振り返りながら、働くことの楽しさや仕事への考え方を伝えた。
4年連続で卒業生が入社していることから、進路選びの参考にしてもらうおうとタカフジが同校と企画した。自らの経験を振り返ることで、若手社員のモチベーション向上につなげることも狙いの一つ。
2015年に卒業した野田さんは、若手社員研修の一環で陸上自衛隊に体験入隊したエピソードを披露。慣れない団体行動や厳格な規律など苦手なことも多い中、「こんなことも自分にはできたんだという経験がこれから先大事になると思った」と話し、先入観を持たずにチャレンジする大切さを伝えた。
技術を覚える難しさに失敗を繰り返した入社当時を振り返り、「前向きな思考を持つことが何よりも大事」と語り掛けた。
16年卒業の矢野さんは、CADを使ってサッシ図面を起こす自身の仕事を紹介。取り付ける場所を考慮した設計に苦心しながらも「設計の仕事は努力したことが形に残るのが一番の魅力」と楽しさや達成感をアピール。今後の目標については「まだ上司に図面を確認してもらっているため、一から全て自分でできるようになりたい」と向上心を見せた。
生徒からは札工時代の成績や仕事の様子について質問が相次いだ。「社会人としての3箇条は」と聞かれた2人は、同社の尾上精治社長の教えである「気付く、気にする、気を配る」の言葉を挙げ、仕事の心構えを堂々とアドバイスした。