4日から5日にかけて北海道を北上した台風21号は札幌市、千歳市など道央を中心に暴風雨をもたらし、倒木や電柱倒壊、停電など広範な被害を出した。国道453号では支笏湖畔で土砂崩れが起きたほか、住家も308件が損壊し、道民生活に深刻な影響を与えた。(関連記事12面に)
JR北海道は5日午前中、快速エアポートを含む全線を運休。倒木による断線や電柱の倒壊で午後2時半現在で2万1800戸が停電した。
国道では5日午後4時現在、暴風雨の影響で札幌開建管内の3路線4区間が通行止めになった。
453号千歳市幌美内―支笏湖温泉間6・6㌔では崖地で土砂崩れが起き、道路が土砂と倒木に覆われた。同区間は7月上旬の大雨でも他の箇所が落石の恐れにより通行止めになるなど土砂災害が起きやすい路線。同開建では、発生原因や土砂流出規模などの調査を進め、早期の応急復旧と開通を目指す考えだ。
さらに管内の337号の長沼町東町3丁目―南15西13間5㌔では電柱倒壊、千歳市中央の1㌔で倒木が発生。維持業者らが開通に向けた撤去作業に尽力している。
強風に伴う住家や公共施設への被害も多数発生。道総務部によると5日午後4時30分現在、文教施設で一部損壊が48件を確認。札幌市や北広島市など石狩管内、胆振や空知管内でも発生。小学校22件、中学校12件、高校11件、特別支援学校2件、各種学校1件の内訳。
住家被害は石狩や胆振、渡島管内など中心に一部損壊が308件発生。市町村別では苫小牧市が56件と最多で、恵庭市が45件、札幌市が39件、函館市が25件など。非住家は日高管内で全壊3件、札幌市や当別町などで半壊27件、一部損壊は48件となっている。
建設部は5日午後2時までに道道における倒木を約160路線で確認。札幌や旭川、小樽建管管内などが多く、通行規制した区間もあった。