「2年前の現場経験が生き、スムーズに進んでいます」―。こう話すのは中山組(本社・札幌市東区)安全・ISO部の本庄千明さん。札幌開建が発注した女性技術者活用型の現場で、安全管理や土質の品質管理、写真撮影などに奮闘している。
同社は4月、女性技術者活用型の石狩川改修根志越遊水地周囲堤ほかを受注。担当技術者として安全日誌などの安全書類関係を含む安全管理や土質の品質管理試験、写真撮影などに取り組んでいる。
本庄さんは2016年度に同開建が発注した、女性活用モデル工事の石狩川改修現場を経験。この時は安全・ISO部に在籍していたことから安全管理を中心に携わった。
今回は、安全管理に加え、写真撮影や品質管理など幅広い業務に挑戦。前回の経験から「スムーズにできている」と自信を深めている。また、安全パトロールなど現場に行く機会が多かったことから「現場に慣れていたことも大きい」という。
現場所長を務める竹内鑑人土木事業部主任は「力仕事は別として、男性職員と同じ仕事をこなしてくれる」と評価。「現場や事務所内の整理整頓などは女性ならではの細かい視点で気付き、指摘してくれる。大変助かっている」と信頼を寄せる。今後は「積極的に女性技術者を活用したい」と話す。
この現場では若い技術者が一緒に経験を積んでいる。入社2年目の豊田優貴さんは「職場がとても明るくなりました」と笑顔を見せ、1年目の柴田春さんは「頼りになるお姉さんです」と目を輝かせる。
本庄さんは、道内の女性技術者などで構成する建設どさん娘(こ)の会に入会し、交流会や情報交換などを通じて勉強に励んでいる。「今は女性専用のトイレや休憩室などがあり、とても働きやすい職場」と述べ、「もっと女性技術者が増えてほしい」と願っている。