北大大学院工学研究院の江丸貴紀准教授(人間機械システムデザイン部門)と学生らが22日、苫小牧港西港区東護岸でドローン技術を活用した港湾施設の現地調査実証実験をした。地震や台風などで消波ブロックがずれたりしていないか検出するもので、無人化された場合、作業の安全性や効率性向上が期待される。
工学研究院では、ドローン技術を使用した港湾施設点検の自動化など効果的な港湾施設調査方法の研究を進めている。工学研究院などと学術研究の進行・発展と人材育成に寄与するための協定を結んでいる北海道開発局が、実証試験に協力した。
これまで消波ブロックの被害を調査する場合、作業員がブロックに立って計測していたことから、安全で効率よくブロックの変位を検出するため、各種センサーを積んだドローンを飛行させ、データを取得した。
今回の試験は、開発局港湾空港部の職員が立ち会い、データ補正するため市販されているドローンと各種センサーを積み込んだ自作ドローンの2機で、東護岸の消波ブロックの様子を撮影した。
当日は気温が低くバッテリーが十分に動かなかったことから、学生が自作ドローンを手に持って移動。対象のブロックのデータを取得した。カメラのみ搭載している市販ドローンはうまく作動したため、上空5mほどから撮影した。データは3次元画像に処理して分析をする。
開発局空港・防災課の斉籐敦志港湾保安管理官は「施設調査は人海戦術のため、無人調査が実用化されれば作業の安全面や効率が向上する」と期待している。