JR北海道の島田修社長は、17日の定例会見で中期経営計画をはじめ、維持困難とする8線区のアクションプラン、2030年度末の北海道新幹線札幌開業後を見越した長期経営ビジョンを3月末までに策定すると説明した。経営改善に当たっては非鉄道比率の拡大に向け、JR札幌駅前を含めた再開発事業に参入し、新たなビジネスの展開を模索する構えだ。
会見で島田社長は「昨年が問題解決の大まかな方向性をまとめた年とすれば、ことしはそれを具体的に前進、実行する年」と新年の抱負を述べた。その上で、経営改善目標を達成するための実行プランである5年間の中期経営計画や、維持困難線区のうち鉄道として残す8線区について2年間をめどとするアクションプランの策定を進めていると説いた。
道新幹線札幌開業の13年後を見越した長期ビジョンの策定を急いでいることに言及。「人口減少をはじめとする環境変化に加え、AIや自動運転の実用化といった技術革新にどう対応するかが課題となる」と指摘し、3月の発表を目指して作業を進めているとした。
事業の多角化も進める方針で、ホテルや商業施設といった不動産開発を強め、収益確保につなげる考えだ。中でもJR札幌駅前再開発事業に注視。「どれだけ参画し、どのようなビジネスを展開するか」をポイントに挙げた。
このほか、道新幹線札幌―東京間の4時間30分、札幌―新函館北斗駅間の1時間内の実現に向け、関係機関と共に課題解決に取り組むことを強調した。