大成建設、室蘭市を含む7者が実施する、建物や街区への水素利用普及を目指した低圧水素配送システム実証事業の開所式が1月30日、室蘭プリンスホテルで開かれた。関係者約70人が水素利用が普及する社会の構築を見据え、テープカットとともに事業拠点の完成を祝った。
環境省が推進する地域連携・低炭素水素技術実証事業として採択。大成建設、室蘭市、日本製鋼所、九州大、ガス等製造販売の巴商会、室蘭工大、北弘電社で構成する共同事業者が事業を担う。
事業内容は、水素製造から貯蔵、輸送、利用の全てにおいて低圧で使いやすい水素の利用を実験する。具体的には、室蘭市祝津地区に位置する、市が保有する風力発電所の電力を用いて水素を製造し、これを絵鞆町内にあるむろらん温泉ゆららに提供する。
事業期間を2018―19年度の2カ年とし、18年度は実証のための設備整備を実施。このほど祝津地区に水素製造所が完成し、開所式にこぎ着けた。
冒頭あいさつでは、青山剛室蘭市長が「室蘭では過去から、石炭、石油、バイオマスとエネルギー源の変遷に合わせて対応してきた経緯がある」と地域の特色を述べつつ、「今回の実証事業を通して水素利用が全道、全国、世界に普及してほしい」と願った。
この後、来賓あいさつや事業説明に続き、テープカットで実証事業の成功を誓い合った。