浜中町は、霧多布港海岸の津波対策を本格化する。防潮堤を延長1748・2mにわたり90cmかさ上げする工事を4工区に分けて、3月1日に監理とともに指名する。同時に区間内にある陸閘(りっこう)5基の改良実施設計も指名する。陸閘改良を夏までに着工したい考えだ。
霧多布地区は、町役場や総合文化センター、小学校、保育所などが集まる市街地で、東の浜中湾と西の琵琶瀬湾に挟まれた地域。海に囲まれているため、1960年のチリ沖地震では、津波により家屋に甚大な被害が生じ、死傷者も出た。
同年から堤防を整備し、背後の住宅地を防護してきたが、既存の防潮堤の高さは4・3mで、東日本大震災後に道が設定した発生頻度が高く、津波高は低いが大きな被害をもたらすL1津波の設計津波水位5・1mを下回っている。このため、浜中湾側で陸閘を含め延長1868mにわたり90cmかさ上げする計画とした。総事業費は8億4500万円を試算している。
15日に開かれた臨時町議会では関連する2018年度補正として6億9600万円を可決し全額を繰り越した。補正分では防潮堤のかさ上げと陸閘4基分の改良を計上。残りの1基は19年度の社会資本整備総合交付金事業として取り掛かりたい考えだ。
陸閘の改良は戸当たりやスライドゲートのかさ上げのほかアルミゲートを新設する。18年度には初弾として琵琶瀬湾側の90mのかさ上げを実施。18年度補正分では、かさ上げ済み箇所の法面や波返しの整備分も含まれる。