稚内大谷高が2019年度から新たに3年生の選択授業として開講する「土木施工基礎技術」の授業が15日にスタートした。受講を希望した8人の生徒が、10月に実施される2級土木施工管理技士の学科試験合格を目指して土木の知識習得に励む。
宗谷管内は工業科などの専門学科を置く高校や大学がなく、管内企業では普通科の生徒や他産業からの転職者を技術者として育成しているのが現状だ。稚内建設協会でも15年度から若手技術者を対象に研修会を開き、技術者としての基礎・基本を学ぶ取り組みを継続している。
同校では地域産業の担い手育成を目的に選択授業を実施。15年度から課外授業として取り組んでいた電気基礎技術の講座を、地元業界の要望もあり、18年度からは2年生の選択授業に導入した。さらに、本年度からは3年生の選択授業として土木施工基礎技術を新たに設けた。
授業は週2回で、放課後も活用して2級土木施工管理技士の学科試験合格に挑む。講師は共成建設(本社・稚内)の大須賀悟常務が担当する。
15日の授業を皮切りに、来年1月末まで土工やコンクリートなどの土木一般、河川・砂防、道路・舗装といった専門土木、労働基準法などの法規を学ぶ。座学だけでなく複数回の現場見学実習も計画しており、実際に現場を見て建設業に興味を持ってもらえるようなプログラムを用意した。
初回は、出席した3年生8人が自己紹介として志望動機や将来の夢などを語った後、大須賀常務が土木や建設業の仕事、現状、働き方改革について説明した。
同校の卒業生でもある大須賀常務は「担い手確保に向けた人材育成の底上げに携われることはうれしい。現場実習などで1年通して工事の移り変わりを見てもらい、現場や土木に少しでも興味を持ってもらえれば良い」と話している。