白老民族共生象徴空間「ウポポイ」 7施設が今冬完成へ

2019年05月04日 09時00分

開業に向け整備が進められる体験交流ホール

 白老町若草町2丁目に建設中の民族共生象徴空間(ウポポイ)が2020年4月24日の開業まで1年となった。23日、北海道開発局が報道機関向けの現地説明会を開催。総工費約200億円を投じる7施設の工事は順調に進み、今冬には全てが終了する予定だ。中核となる国立アイヌ民族博物館は7割の進ちょくとなっている。

 園全体の面積は10haほどで、ポロト湖畔にそれぞれの施設を配置する。

 エントランス棟は延べ650m²と640m²の2棟からなり、券売や飲食、物販などに利用する。どちらもS造、平屋、高さ4・5m。7割程度完成し、外装の仕上げ段階だ。

北海道初の国立博物館となる国立アイヌ民族博物館

 隣接する北海道初の国立博物館となる国立アイヌ民族博物館は2階建てで、1階部分にはシアターやカフェなどが入る。

 主な展示品は津波対策として2階に入り、言葉、狩猟、儀礼など6つのテーマに沿ってアイヌを紹介する。進ちょく率は7割ほど。屋根の仕上げ作業中で、7月上旬にも外装は完了する。S一部RC造、延べ8600m²、高さは20m。

 アイヌの踊りや音楽が楽しめる体験交流ホールは、鉄骨建方の段階のため2割ほどの進ちょく。5月下旬からは屋根の施工に着手する。

 体験交流ホールからほど近い体験学習館では、アイヌ料理の試食や楽器の演奏ができる。工事はほぼ完了し、床や通信設備の整備を残すのみとなっている。

 園の東側には、木彫りや織物など、ものづくりの体験ができる木造平屋の工房が構える。7割程度できており、内部仕上げの段階だ。延べ500m²、高さ6・5m。

 工房の奥手にはアイヌの家であるチセを再現した空間、伝統的コタンができる。これから工事に入り、ポロチセ(大きな家)1棟と、チセ2棟を建築する。

象徴空間の北に位置する慰霊施設群

 象徴空間から900mほど北に位置する慰霊施設群は、約30mの塔モニュメントと墓所、アイヌが慰霊の儀式を開く施設からなる。

 墓所正面にはアイヌが用いるさまざまな地域の墓標があしらわれ、アイヌの遺骨を収蔵。工事はほぼ完了し、6月ごろから遺骨の収集、収容を開始する。

 今後は公園や芝生の整備を進める。(苫小牧)


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