財政再建に奔走、市民と協力
1999年から5期20年にわたり、石狩市長として市政運営の先頭を走り続けた。6月26日で任期を終えた今、これまでの歩みを振り返り、新市長への期待を聞いた。(建設・行政部 坂本 健次郎記者)
―20年間を振り返って率直な思いを。
濃密な時間であっという間だった。市長就任当時は財政再建が課題だった。財政再建は人口減少や雇用問題とも関連する。住環境や子育て支援体制の整備、石狩湾新港地域への企業誘致によって安定した生活を送れる環境にし、人口増加にもつながった。
2005年の厚田村、浜益村との合併では、道の駅を中心とした同地区の観光施設を開発し、昼間人口の増加につながった。さまざまな問題に取り組み突っ走ってきた。本当に短く感じる。
―一番印象に残っている仕事は。
やはり就任直後の財政再建への取り組み。就任前は助役として、市長の苦労を一番近くで見てきた。早急に取り組まねばならないと思っていた。
当初10年間は、建築物などは新設せず修繕で乗り切り、職員の給与削減にも取り組んだ。危機を乗り切るため、関係各所や自治会などに財政状況を説明して回った。危機感を共有することで前に進んでいくことができた。
―新市長へエールを。
長年市政に携わってきて、市のことは熟知しているから大丈夫。経験から言えば、市民の皆さんの協力で行政運営ができた。市民の力そのものが行政の力。市民の思いを理解して、一丸となって挑戦していってほしい。
田岡 克介氏(たおか・かつすけ)1945年10月11日石狩町(当時)生まれ。68年国学院大卒業後、石狩町役場入り。企画調整部長、助役を経て、99年石狩市長初当選。6月26日付で退任。
(北海道建設新聞2019年7月1日付18面より)