西岡国昭建設(本社・札幌市豊平区)は、施工する札幌市発注の芸術の森地区新設小敷地造成現場で、ダンプ運搬土の飛散を抑える散水ゲートを独自開発し、活用している。簡単な仕組みながら防じん対策として効果を上げている。
同現場は約6500㎡の傾斜地に同小敷地を造成する内容。ICT施工で約1万9000㎥を切り土しながら敷地整備を進めている。
現場で発生する火山灰質の土は、1日当たり70台以上のダンプを使って約30㌔離れた白石区米里まで運搬する。晴天が続くと荷台から土粒子が飛散し現場や周辺を汚してしまうため、対策として独自開発のゲートを現場出口付近に設置した。
幅約5m、高さ約4mの単管ゲート上部に穴開き塩ビ管を設置した簡単な仕組み。運転手が「オン」スイッチを押すと脇の貯水槽からくみ上げた水が塩ビ管に流れて散水し、数メートル先の「オフ」スイッチを押すと水は止まる。スイッチは運転席の高さにあり、通過しながら操作でき手間も少ない。
考案者は池添正晴旭川支店部長。ダンプ会社の社長に聞いた道外での事例を参考に5年前に施工した清田通新設で仕組みを構築した。「今回は運転手が操作しやすいよう、スイッチの場所を改良した」と話す。
散水による湿り気は搬入先まで保たれ、防じん効果を確認。荷台を覆うシートで対策する場合も多いが台数が多いと手間になるため、半沢望現場代理人は「効率的で効果的」と重宝している。