苫前町夕陽ケ丘風力発電所4号機、17部品をトレーラーで輸送
巨大風車を留萌港から組み立て現場の苫前町へ―。苫前町が建設する夕陽ケ丘風力発電所4号機の部品の積み込み・輸送が12日午前0時から始まった。長さ40mのブレード3本、高さ78mのタワー(4部品で構成)、発電機を収納するナセルなど17部品を6日間かけて運ぶ。輸送の最難関はブレードを積んだトレーラーの留萌橋[MAP↗]交差点左折。道路標識への接触回避など困難を極めたが、運搬関係者の知恵とチームワークで乗り越え、輸送ルートの国道232号へ導いた。
苫前町の新風車となる4号機は、1998―2000年にかけて国道232号の日本海沿いにある豊浦地区に整備した3基の風車解体・撤去に伴い設置するもの。新風車の建設地も豊浦地区だが、海側から国道を挟んで山側となる。組み立てが完了するとタワーの高さが78m、最高到達点118m、出力は2200㌔㍗となる。
新風車は17部品に分割し、留萌港から留萌橋かルルモッペ大橋を渡り、国道232号に入って苫前町へ輸送する。橋梁の重量制限があるため、約40―68㌧(1部品当たり)あるタワー部は留萌橋を使えず、ルルモッペ大橋を利用した。
ブレード輸送では、留萌橋の交差点左折に困難を極めた。
まずは交差点を直進し旧・北光中学校付近でスイッチバックして、国道に入ろうとしたがブレードが道路標識などに接触しそうになり断念。次にトレーラーを留萌橋上までバックさせ対向車線側に入って左折しようとしたが、ブレードが信号機や留萌橋アーチ端部にぶつかりそうになったため中止した。
一時、12日の輸送を取りやめるという話もあったが再度、左折を試みた。留萌橋上でのトレーラーの位置や曲がる角度を微調整し、ブレードがどう動くかなどを考えて挑み左折に成功した。
その後、苫前町へ向かうが途中には待機場所13カ所を設け、一般の対向車・後続車の交通の安全を確保しながら進み、当初予定から3時間遅れ、午前5時30分ごろに到着した。
輸送に携わったのは、ヤマガタ(茨城)とショウエイロジックス(苫小牧)、東日本誘導(札幌)の3社の約20人。輸送責任者のショウエイロジックスの小黒浩司部長は、「トレーラーの曲がり方や後方部のブレードを調整して留萌橋の左折に成功した」と話し、一般車両の安全を確保した東日本誘導の広嶋進社長は「トレーラーと接触したら大事故になる。2重、3重の対策を取っている」と、全ての部品輸送が完了するまで気を緩めないことを強調した。
15日午前9時半現在では、留萌港に風が出ているため輸送部品の積み込は様子を見ている。
(北海道建設新聞2019年10月16日付4面より)