商店街で暮らし、地域活動に取り組む、まちのクリエーターを募集―。当別まちづくりは、当別町内の商店街中心地にある空き店舗を活用して開設するクリエーター向けシェアオフィスに入り、町の情報発信やまちづくりの企画・運営に協力することが可能なクリエーターを全国から募集している。
地方自治体の多くは、人口減少や高齢化が進んでいる。かつてにぎわっていた商店街も後継者がいないために閉店する店舗が増加しており、当別町も例外ではない。
当別市街地には、中央通りと本通りに商店街がある。昨年、2つの通りの交点に位置するカネヨよねぐち呉服店が閉店し、その後シャッターが下りたままの姿を見て、当別まちづくりの辻野浩社長が「商店街の顔となる中心の店が開いていないのは寂しい」と思い、店舗の活用を模索。
中小企業庁の共同・協業販路開拓支援補助金を活用し、旧カネヨよねぐち呉服店で「CREATORS in the STREET事業」を展開することにした。
まちの商店は、おもてなしと熟練の腕、そして仲間を愛する熱い心があるが、辻野社長は「新しいものを作ったり、おしゃれなデザインを考えることは苦手」と指摘。「今あるものの見方を変えて新たな価値を生み出したり、人の心を動かす仕掛けをするクリエーターの力が必要」と訴える。
クリエーターには、店舗1階スペースを拠点にしてもらい、2021年3月まで月10万円を支給。月60時間程度の地域活動に協力すること以外は、自由に製作・販売活動を行っても良い。店舗は当別まちづくりが借り上げる形を取り、映像製作用のスタジオを設置する考えだ。
募集は3人で、第1次募集は9月15日に締め切る。既に問い合わせも寄せられており、辻野社長は「当別の魅力を発信する力と店舗デザインへのアドバイスに期待したい」と話している。
募集の詳細は、同社のホームページに掲載している。
(北海道建設新聞2020年8月20日付12面より)