ベッドなし、広い机 オフィス仕様の客室で快適に仕事
京王プレリアホテル札幌は28日、客室を活用したレンタルオフィス事業を始める。一部の客室からベッドやソファを撤去し、事務用テーブルなどのオフィス家具を設置。コロナ禍で訪日外国人客の需要がなくなった中、JR札幌駅北口から徒歩3分の立地を生かし、リモートワークなど新たなビジネス需要を取り込む。オフィス仕様の客室販売は京王グループとしては全国初。
オフィスに変えたのは3階の6室で、広さ20m²と23m²が各3室。時間貸しの場合、部屋の広さによって1時間当たり税込み2000―2200円で貸し出す。初めての客に限り最初の1時間は1000円とする。
ほかに1日1万2000―1万3000円の終日利用プラン、1カ月15万―18万円の月間プランも用意した。同じフロアに共同利用の応接室があり、終日なら1時間1000円、月間なら無料で、それぞれ1日2時間まで使える。両プランとも館内の大浴場を無料で利用できる。
オフィス室内には可動式の長机4卓とカウンタータイプの机1卓、ホワイトボードセットを設置した。無料Wi―Fiにも対応。希望者にはモノクロレーザープリンターを1回1500円で貸し出す。営業時間は午前10時から午後10時まで。
同ホテルは19年5月開業で、地下1地上17階のビルに359室を備える。コロナ禍で宿泊客数が激減し、回復傾向にある10月の売上高も前年同月の半分未満と低迷していることから、客室の有効活用策としてレンタルスペース事業を始めることにした。オフィス事業はこの第1弾で、今後は貸会議室などへの拡大を検討している。
道内ホテル各社は今春以降、リモートワーク向けの日中利用プランを相次いで打ち出している。京王プレリアは、一般的な日中プランでは宿泊用のベッドやソファがあるため、仕事に使える空間が小さい点に着目。オフィス仕様の部屋を設けた。
また、多くの低料金レンタルオフィスは開放空間になっていて、情報保護などの面で課題がある。同ホテルは、個室オフィスのためほかの利用者に気兼ねなく打ち合わせや商談、電話ができることをアピールしている。
(北海道建設新聞2020年10月28日付2面より)