ヤブシタエネシスが提案
ヤブシタエネシス(本社・札幌)は、家電の使用状況から、離れて暮らす家族の生活をスマートフォンで見守ることができるサービス「そっとねっと」を提案している。最新技術の活用で、8種類の家電の使用状況を分析・通知。家電の深夜利用といった普段と異なる行動が見られた場合はアラートメールで知らせる。高齢者などの見守りに最適だ。
人が駆けつけるサービスは高額で、カメラを用いた見守りだと監視されている違和感があるなど、従来の見守りサービスには課題があった。同社は、機械を使った安価で、かつ〝さりげなく優しく〟見守ることが可能なサービスを構築した。
そっとねっとでは、分電盤の主幹に1組の電流センサーを設置するだけで、家庭にある各機器の電力消費量を推定できる「ディスアグリゲーション技術」を活用する。ブレーカーに約8cmの専用センサーを取り付け、炊飯器や掃除機、洗濯機、テレビなど8種類の各家電の異なる電力周波数を分析。それぞれの使用状況を、離れた家族がスマホで確認できる。
いつどの家電を使ったか今の状況が分かる画面と、家電の使用状況を1日の流れで見られる画面、生活リズムをつかめる1週間の使用状況画面の3種類を提供。また、AIが使用状況を基に、家電の深夜利用や長時間使用など普段とは異なる行動や変化が見られると判断した場合はアラートメールで通知する。
例えば、深夜に家電を利用した場合は認知症の疑い、長時間連続使用だと倒れて動けないといったわずかな異変に気付くことができる。
個人での利用のほか、賃貸物件で導入すると事故防止につながるため、不動産会社などが注目しているという。
専用センサーを取り付ける時間は最短で15分程度と、簡単施工が特長。子どもや親戚など最大5人が使用状況を確認でき、複数で見守ることにより安心度が増す。センサーをブレーカーに付けて日常使う家電から情報を得るため、見守られる側も監視されている感覚を抱かない。
月額利用料は1980円(税込み)。センサー1つで情報を得る仕組みとすることで価格を抑えることに成功した。Wi―Fi環境が必要。Wi―Fi設置オプションも展開する。
ヤブシタホールディングスの森忠裕社長は、高齢化が加速し、孤独死の増加などが懸念されていることを踏まえ「世の中が必要としているサービス。ブレーカーにセンサーを付けるだけで、そっと見守ることができる」とPRしている。
(北海道建設新聞2021年1月15日付3面より)