地域の観光拠点として活用を構想
日高町は、廃線となったJR日高線の日高門別駅舎と、隣接する町民サロンの観光拠点としての活用を構想している。日高線やホッカイドウ競馬に関連する写真、グッズを展示するなどして地域の観光拠点にしたい考え。財源が確保でき次第、年度内にも老朽化した駅舎などの改修に着工する。
日高門別駅は、4月1日のJR日高線廃線に伴い代替バスの停留所としても役目を終えた。町は駅舎保存に向け、2020年10月の廃線覚書締結以降に同駅を含む5駅の活用案を町民から募集。比較的新しく、広さもあることから同駅の利活用を決めた。
ともにW造、平屋で、駅舎が延べ43m²、サロン部分が同77m²の規模。1990年に建築した。両施設はドア1枚で仕切られていて、行き来ができる。
背後にあるホームや線路約600mも保存する見通しで、駅舎と合わせてJRに無償貸し付けの申請をしている。将来的には譲渡の打診を視野に入れている。
改修には国の補助金を活用する予定。7月末にも採択の可否が決まり、その後設計と施工を年度内に終わらせたい考えだ。
同様に、この補助金で外構や周辺の遊休地などを一体的に再整備する構想もある。庁内で整備案などの検討を進めつつ、財源が確保でき次第、年度内に設計を発注する見通し。
商工観光課の島尻守主幹は「駅の記憶が薄れないうちに急いで事業を進めたい」と話している。(苫小牧)
(北海道建設新聞2021年6月15日付13面より)