道保健福祉部は、福祉的配慮に優れた事例を対象にした「北海道福祉のまちづくり賞」の2021年度受賞者を決めた。公共的施設部門では、札幌市西区にある社会福祉法人北腎会の坂泌尿器科病院と倶知安町役場庁舎が受賞。22日午後2時からポールスター札幌で表彰式を開く。
北海道福祉のまちづくり条例を施行した1998年度から実施しているもので、本年度で23回目となる。公共的施設、活動、福祉用具の3部門で表彰する。
坂泌尿器科病院はサン設計事務所が設計を担当。建設地は札幌市西区八軒2条西4丁目1の1。多様な人への配慮を細かに考えた設計が高く評価された。特に分かりやすい案内表示やスペース確保、動線などが優れていて、病室内のブース分けもプライバシーを保ちながら圧迫感がない工夫がされている。駐車スペースも広く、隣接する建物には地域貢献に利用できるスペースもある。
倶知安町役場庁舎の設計者は大建設計で、倶知安町北1条東3丁目に完成した。庁舎までのアプローチは屋根ひさしが深く、二重の風除室が雪や寒さを防ぐ構造になっている。内部案内表示板は外国人居住者にも分かりやすく業務内容を英語で説明。子ども連れ来庁者のために、おむつ交換室やキッズコーナー、多目的トイレなども配置している。議場は車椅子スペースや難聴者用ヘッドホンプレートを設置し、誰もが傍聴できるように配慮。町民が求める視点や地域の特徴を取り入れた点が評価された。
このほか活動部門で1件、福祉用具部門で2件の取り組みが選ばれている。
(北海道建設新聞2021年10月13日付1面より)