道産材の需要旺盛で安定的な原木供給を 道森林管理局

2021年10月25日 09時00分

立木販売前倒しなど

 国際的な木材不足「ウッドショック」が続く中、道内でも影響を受けてエゾマツやトドマツ、カラマツなど道産材の需要が旺盛な状況にある。外材から道産材への転換に注目が集まるものの、全ての需要に応じきれていない現状も見られる。道内国有林の管理経営を担う北海道森林管理局は、国有林材の供給調整について、現状では必要ないものの旺盛な木材需要に対して安定的に原木供給を行う必要があるとした。具体的な方針として、立木販売の前倒しと生産した素材の早期販売を継続する。2021年度第2回国有林材供給調整検討委員会の検討結果として示した。

道産木材の旺盛な需要が顕在化するものの
現場の生産能力向上には踏み切れていない現状がある

 道内の木材市況概況を見ると、8月の主要品目の価格動向は、素材(工場着)がトドマツ(直径30―38cm、長さ3・65m)で1万3000円と前月比0.8%増、エゾマツ(30―38cm、3・65m)で1万3400円と1.5%増。製材受注は好調だが、時期的に原木の入荷量が少なく引き続き原木不足感がある。

 製材(工場渡)はエゾマツ・トドマツ(厚さ10・5cm、幅10・5cm、長さ3・65m)で5万8900円と前月比1.2%増。エゾマツ・トドマツは建築材として引き続き需要は高いが、工場の生産能力や原木の入荷状況によって全ての需要には応じ切れていない状況にある。

 同委員会には、森林総合研究所や道、林業関係の組合や木材・建材関連業者などが委員として参加。委員からの意見として、原木生産量・消費量が思った以上に増えてない印象の一方、製材価格は道央圏を中心に順調に上がっており、製材は全体的に不足しているが、生産量が増やせない状況にあることが挙がった。また、生産・供給量を増やすためには現状では限界があり、生産体制や雇用対策・労働環境の改善などが必要と考えているとの意見もあった。

 ただ一部では、「ウッドショック」の影響で2―2・5倍の価格を出していた2×4材の値段が下がってきたとの意見もあり、安易に増産体制に踏み切れない事情が垣間見える。

(北海道建設新聞2021年10月21日付1面より)


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