最終処分場新設着手遅れで 羽幌町が島民理解求める
羽幌町が2022年度から2カ年で施工する計画の天売複合化施設新築は、24年度にずれ込む可能性が高くなった。羽幌町外2町村衛生施設組合が21年度から3カ年で整備している最終処分場新設の着手時期の遅れが影響したもよう。町議会議員らは複合化施設の計画変更の見直しを求めているが、町は変更への理解に努めている。(留萌支局・五十嵐亘記者)
複合化施設の建設地は天売和浦119の3ほか。天売小中学校の南西側に整備し、同校の体育館と接続する。
施設規模はS造、2階、延べ998m²。1階は島民交流の場とし、2階を天売高の校舎とする。基本・実施設計は日本都市設計が担当。工事費は7億9700万円を試算している。
複合化施設の着工延期は、同町と苫前町、初山別村で構成する羽幌町外2町村衛生施設組合が整備している最終処分場新設が絡む。21年6月に工事3件として入札後、議会に諮った土木施設整備で承認が得られず、着工が9月にずれたことが響いた。
工事3件の落札額の合計は22億4492万円。構成自治体は21―23年度の各年度に負担金を支出する。
着工の遅れで羽幌町が各年度に支払う予定だった負担額に変更が生じた。21年度は約1億4600万円少ない8697万円に。後年への影響も大きく、特に23年度は当初の約2億9000万円から、5億6075万円に膨れ上がった。
複合化施設新設は当初、23年度の支出が増える想定だったため、同年度に5億円超の負担金支出が重なることを避ける必要から延期を検討せざるを得ない状況となった。
14日の定例町議会の一般質問では、議員から複合化施設の計画変更見直しを求める声が飛び交った。駒井久晃町長は、財政上のやり繰りから見直しが困難なことを説き、島民の理解を得られるよう対応するとの回答に終始した。