鉄道運輸機構が現場公開 準備工終え、市街地で地盤改良
鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線建設局は22日、道新幹線札樽トンネル桑園ほか工区で準備工を終え、開削トンネル部分に本格着工した。同機構の松本浩司札幌鉄道建設所長は「桑園工区は都市部での工事となるので、近隣の皆さんに迷惑をかけないようコミュニケーションを取りながら安全第一、環境にも配慮した上で進めたい」と述べた。
この日、中央区北8条西12丁目の現場を報道機関に公開した。
桑園工区は小樽市と札幌市を結ぶ札樽トンネル(延長26.23km)のうち、最も札幌側に位置する工区。大成建設・伊藤組土建・札建工業・豊松吉工業共同体が施工する。市内で着工した新幹線工事は3件目となる。
施工延長は737mで、JR桑園駅付近のシールドトンネル到達立て坑から石山通区間は開削トンネル、石山通―西8丁目線区間は掘り割り式RCボックスで計画。開削トンネル区間は346mを予定する。2027年11月末まで到達立て坑から西8丁目線までの工事を進める見通しだ。
仮囲いや施設物撤去などの準備工を終え、22日、セメント系改良材を使った地盤改良に着工した。今後、土留め壁造成や掘削、コンクリート打設などを予定している。
市街地での工事に加え、JR高架橋などが近接しているため、周辺構造物への影響などに細心の注意を払っている。大成建設の生井康丈作業所長は「市街地など工事の制約があるが、安全面に加え、近隣に配慮しながら進めたい」と話した。