千歳市泉沢向陽台にある福住住宅地が分譲率100%を達成した。全341区画で、2021年度に最後の1区画を契約。隣接する文京ニュータウン(720区画)は21年度に36区画を契約して住宅用地が残り1区画となり、年度内完売の可能性が出ている。自然に囲まれた環境で住宅を持てるのが魅力。道内外問わず購入者がいる。今後は市有地売却による宅地創出で人口増を図る。
福住住宅地と文京ニュータウンなどで構成する泉沢向陽台住宅地は、JR千歳駅や新千歳空港から約10㌔の距離にある。4月1日時点で4847世帯9255人が暮らす。福住住宅地は1990年度、文京ニュータウンは95年度に分譲を開始した。
1区画当たりの広さや価格、建築条件がないこと、緑豊かで整った景観が魅力だ。
21年度に契約した37区画は、市内居住者の購入が13件、札幌市や苫小牧市など道内市外が19件、東京都や千葉県など道外が5件の内訳。空港や高速道路など交通利便性の良さが市外・道外からの購入を後押ししている。年代別では20―30代が多く、購入者の4割は子どもがいる世帯だ。
契約件数は18年度が16件、19年度が17件、20年度が28件と増加傾向にある。千歳市産業振興部産業支援室開発振興課の橋本真弓開発振興係長は「新型コロナウイルス感染症流行後、家で過ごす時間が増えた。賃貸住宅だと騒音が気になるため、計画より早いタイミングで戸建てを購入した人もいる。ここでは好きなメーカーで自由に建てられるため、そういった需要をうまく取り込めたのでは」と話す。
福住住宅地は完売。文京ニュータウンも住宅用地の完売が見え、商業用地も残り1区画となった。一方、新規で市が住宅地を整備する計画はなく、20年度は公営住宅富丘団地跡地(3万2817m²)を売却し、民間事業者が宅地造成した。
21年度は大和4丁目(1万2107m²)の未利用市有地を民間事業者に売却。22年度は大和3丁目(1万5681m²)の公住大和団地跡地売却で入札参加者を募集中だ。宅地を確保し人口を増やすため、売却など未利用市有地の有効活用が課題となっている。