札幌市財政局は15日、新たなくじ引き対策として試行する市況連動型失格判断基準の対象工事のうち、初弾となる北発寒第11号線北発寒第22号線―道道下手稲札幌線間舗装路面改良の開札結果を公表した。くじ引きの発生はなく、舗栄建設工業が1回目、税抜き3200万円で落札。また、応札者の4割が失格判断基準を下回った。同局では一定の効果があるとみて、今後の試行案件の動向も注視している。
市況連動型の失格判断基準は、入札価格の平均値から調査基準価格を算出し、調査基準価格と入札参加者数などから設定。入札結果を基に統計的手法を使うことで相場価格として妥当な範囲を推計する。ダンピング価格での入札は相場を下回る入札として失格となる。
今回の案件は舗装A等級が対象で、28者が応札した。予定価格は税抜き3494万円で、調査基準価格は92.95%の3247万5162円、市況連動型失格判断基準は91.21%の3186万7204円だった。
応札者のうち、予定価格と同額の札入れは4者、予定価格を超過した応札は3者。市況連動型失格判断基準を下回った13者は失格となった。うち4者は従来の最低制限価格と同額の札入れをした。
市財政局の担当者は「くじ引き解消と入札価格の底上げを目的に試行したが、この案件については達成できたのではないか」とみている。
同局は土木B等級と舗装A等級の6件で市況連動型失格判断基準を試行する予定で、今後順次公告・開札する。2022年度の試行結果を検証し、今後の対策に生かす考えだ。