W造、延べ800m²
福島町は吉岡温泉ゆとらぎ館移転新築の基本計画をまとめた。現施設よりも小さいW造、延べ約800m²の規模とし、長期的な利用へ無駄のない施設を追求。木質バイオマスボイラを導入するなど環境負荷低減に配慮する。総工費は8億6000万円を試算。2023年5月ごろに着工し、24年4月のオープンを目指す。
ゆとらぎ館は1994年の完成で、老朽化しているため建て替える。基本計画策定は21年9月に日本工房に委託した。
建設地は現施設の東側に位置する吉岡219の23ほか。平屋、延べ822m²の規模で、現状より100m²ほど縮小する。
簡素で無駄のない施設構成をコンセプトに掲げる。外装はコンパクトで四角い形にし、鋼板ベースの長期耐久製品などを使用してメンテナンスの効率化を図る。外壁の色は濃いグレーで「和」を演出する。
内部には道南スギなどの地元材を可能な限り用いる方針。木を前面に生かしたデザインとし、癒やしとぬくもりを感じる空間を創出する。
浴室は源泉の安定利用も視野にメインの浴槽を1カ所に集約。寝湯型のジェットバスやサウナ、露天風呂も設置する。
温泉加温と給湯には脱炭素化を念頭に、木質チップを使用する木質バイオマスボイラを導入する。町内で発生する間伐材や林地残材など未利用材を活用し、循環型社会の推進も図る。灯油FF式温水発生機でバックアップする。
実施設計も日本工房に依頼し、23年2月末までを業務期間に進める。工事は主体、電気、機械に分けて発注。25年度以降に現施設を解体する。
今後も資材などの価格上昇が続く見込みのため、事業費は「切り詰めるところは切り詰める」(町)との姿勢だ。