北海道生コンクリート工業組合は、2022年度の道内生コン需要見通しに関し、当初予想より2%多い307万5000m³に上方修正した。全道29地域のうち11地域が上振れを示し、逆に7地域は下振れを想定した。15年度に記録した過去最低の320万3000m³を下回ることは濃厚。セメントや骨材など材料の値上がりで生産コストが上昇する中、生コン工場の運営は厳しさが一段と増している。
22年度の需要見通しのうち官公需は122万8000m³で、当初予想より5000m³増えるとみる。民需は184万7000m³で、当初より5万3000m³の上振れを予想する。
当初予想より上方修正したのは後志や南北海道、北渡島など11地域。下方修正は函館や小樽、千歳など7地域。据え置きは札幌や旭川、留萌など11地域だった。
羊蹄山麓6町村ほかを範囲とする後志は、ニセコを中心とするリゾート開発などを背景に当初より35%多い13万5000m³を想定する。小樽は北海道新幹線札幌延伸のトンネル工事の進捗などを反映し、14%減の10万6000m³を予想する。
札幌は官需9万2000m³、民需88万3000m³で当初予想を据え置いた。上半期は小口の共同住宅や事務所などの積み上げが大きかった。1000m³以上の大口はラフィラ跡複合ビルや札幌第一生命ビル、二十四軒団地建て替え2号棟新築など。工期が複数年度に及ぶ物件を多く抱え、先々の出荷量も堅調に推移するとみている。
21年度の道内生コン出荷量は332万m³で、過去2番目に低い水準だった。過去最低は15年度の320万m³で、22年度はそれを5%ほど下回る可能性がある。
22年度4―10月の出荷量は214万9846m³で前年度同期より7%低い。例年、生コン需要は11月以降で閑散期を迎えるため、残り5カ月で100万m³超を上げるのは難しい。
道工組の守島郁生専務理事は「本年度は地方を中心とした官公庁の需要が低く、過去最低を記録するのは間違いなさそう。現状は端境期にあるとみていて、来年度は道央圏を中心とする民需の強い動きに期待したい」と話している。