札幌市内の2022年新設住宅着工戸数は前年比2%減の1万5761戸だった。物価高騰などの影響で持ち家は21.7%減の2931戸にとどまり、過去10年で最少となった。貸家と分譲住宅は南区などで伸び、2年連続で増加。住宅供給が郊外へシフトしている状況がうかがえる。
国土交通省の新設住宅着工を基に集計した。利用別の内訳は、持ち家が大きく減少した一方、貸家が0.9%増の8908戸、分譲住宅が11.3%増の3878戸となり2年連続で増加。給与住宅が2・3倍の44戸だった。
過去10年間の平均は1万6737戸で、これを976戸下回る。
月別に見ると、分譲住宅は8月に2・3倍に上ったが、9月以降は減少に転じた。持ち家は毎月前年を下回った。
区別では、3.3%減の2795戸で中央区が最多。貸家と分譲住宅が好調だった豊平区が10.5%増の2660戸で続いた。
伸び率は東区の31.2%増(2323戸)が最大。分譲住宅が2倍(971戸)を記録した。次いで南区の12.4%増(947戸)で、分譲住宅が2・3倍(305戸)に上った。清田区でも貸家が2・8倍(147戸)となった。日本不動産研究所の石川勝利北海道支社長は「中央区や北区など市中心部の土地価格が高騰していて、供給が郊外へと流れている」と分析する。
一方、持ち家は全区で減少した。石川支社長は「今までと同じ(供給方法)だと、あまり変わらないのでは。敷地面積を小さくして総額を抑えるなど、ニーズに合った商品があれば、ある程度増加するのではないか」とみている。
12月単月の新設住宅着工戸数は前年同月比1.6%減の1050戸。持ち家が15.1%減の209戸、貸家が1.9%減の589戸、分譲住宅が14%増の252戸の内訳で、給与住宅はなかった。