北洋銀行は26日、2015年の道内企業業況見通しを発表した。建設需要の先行きが不透明なことなどから、全産業DIは売り上げがマイナス20、利益がマイナス25とともに前年から9ポイントの悪化を見込んだ。悪化は2年連続となる。
道内の取引先697社を対象に11月下旬から12月中旬に調査し、建設業95社を含む447社が回答した。回答率は64.1%だった。
14年は、4月の消費税増税前の駆け込み需要の反動が影響し、全産業で売り上げが前年比34ポイント悪化のマイナス11、利益が29ポイント悪化のマイナス16とともに大きく下回った。
15年は、ここからさらにそれぞれ9ポイント悪化する見通しで、個人消費関連の一部業種に持ち直しの兆しが見られるものの、建設需要の先行き不透明感や原油価格、電気料金の動向といった懸念材料から、業況を慎重に見る企業の動きが強まった。
具体的には、製造業は売り上げが3ポイント悪化のマイナス12、利益が2ポイント悪化のマイナス13、非製造業は売り上げが12ポイント悪化のマイナス23、利益が13ポイント悪化のマイナス30を見込んだ。
製造業は、食料品が売り上げ、利益ともに改善を見込む一方、木材・木製品と鉄鋼・金属製品・機械はともに悪化すると見通した。
木材・木製品は、住宅着工減の影響が続くとの見方から、売り上げが32ポイント悪化のマイナス27、利益が10ポイント悪化のマイナス29とした。鉄鋼・金属製品・機械はともに9ポイント悪化を見込み、売り上げがマイナス12、利益がマイナス15を予測。建設関連の需要動向が影響するとみている。
非製造業は、建設、卸売、運輸の3業種が売り上げ、利益ともに悪化、小売がともに改善、ホテル・旅館がほぼ横ばいとの見通しとなった。
建設は、公共工事減の懸念からともに22ポイント悪化するとし、売り上げがマイナス27、利益がマイナス32を見込んだ。卸売は、建設資材や機械関連の慎重な見通しから売り上げが36ポイント悪化のマイナス33、利益が21ポイント悪化のマイナス42、運輸は業況の後退を主因に売り上げが14ポイント悪化のマイナス22、利益が20ポイント悪化のマイナス20になるとした。
先行きへの懸念材料としては、原油価格や電気料金、個人消費、公共投資の動向、消費税引き上げの影響を挙げる企業が多かった。建設業では公共投資が懸念材料のトップで、原油価格、物価、民間設備投資が続いた。
建設業の企業からは「公共工事減が見込まれることから民間建築を多く受注したいと思っているが、競争が激しい上に利益が薄い」「人件費や資材価格の値上がりで建築単価が上昇し新規投資に慎重姿勢が見られているため、受注が落ち込むことが予想される」といった意見が目立った。人手が不足している最近の状況から「若手人材を育成し、組織力を高めて企業継続に努めたい」との声もあった。